着物の変退色(色ヤケ)について

皆様は、部分的に色が変色してしまっていた!
なんて経験はありませんか?

これは着物に限らずお洋服も…!
「畳んできれいに保管して、年に約3回の虫干しもしていたし、きちんと洗いにも出していたのに、広げてみたら色が変わっていた!」
「クリーニングに出して、埃がかぶらないように袋にいれたままハンガーラックにかけて保管していたのに!」
なんてことありませんか?
これは着物、または衣類の「色ヤケ」・「退色」と言います。
原因は紫外線の影響、経年劣化による染色の変色によるものです。

前回、当ブログの「虫干し」についての記事にも書きましたが、せっかく洗って保管していても、虫干しの時に日の当たる所に長時間干したままにしてしまったり、畳んだ後すぐにタンスに収納せずに日光に当たってしまったりすると、日光の当たった部分だけが変退色してしまいます。
着物の場合、畳んだときに端になる部分がよく変色してしまいますが、広げた時に変色は膝あたりに来るので、そのままでは着用することができません。

洋服の場合、まずクリーニングから返ってくるときに掛けてあるビニールの袋は運搬用なので、必ず持って帰ってきたら袋から出しましょう。
その後、保管するラックが窓際だったりすると、窓側に向いている片身側が変色してしまい、久しぶりに使おうと出してきても使用できません。

このようなことを避けるためには
・虫干しは10時~15時までにしましょう。(西日には要注意)
・出来るだけ日光の当たらない日陰で干しましょう。
・畳んでからも要注意!出来るだけ早くタンスにしまいましょう。
・洋服は、出来れば直射日光の当たらない場所(クローゼットなど)に掛けましょう。
・クローゼットなどがない場合は、ラックの上から要らないシーツなどをカバーとして上から掛けましょう。
・着物も洋服も、一度着用したものはなるべく早く洗いましょう。

このようにして保管中の色ヤケを防ぐ方法はたくさんあります。
ですが、着用中の色ヤケを防ぐ方法は基本的にはありません。
衣類には、人の肌に塗る日焼け止めのようなものはないのです。
また、着用した際の汗にも要注意です。
Tシャツなどの肩や、ジャケットの肘の内側がよく色褪せるのは、着用時にかいた汗が付着、蒸発する時に通る部分で、尚且つ日光に当たりやすい場所だからです。
これは着用後すぐに洗ったとしても防ぐことは出来ません。

ですが、もし色ヤケしてしまっても諦めないでください!
色ヤケは直す事が出来るのです。

(当店に依頼された色ヤケ直しの事例)

左のビフォアアフターは、畳んでの保管中に、折り山の部分が色ヤケしてしまった色無地の着物です。
右のビフォアアフターは、着用時の手首の汗を吸い、紫外線に当たることで変色した着物の袖口です。

このように、当店では変色や脱色した着物や洋服の色直しを承っていますので、お困りの際は是非ご相談ください。

尚、ご相談はメールでも承っているので、お気軽にどうぞ!

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