しみ抜きと色掛け
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今回は、当店で最も多い依頼「黄変シミのしみ抜き」と、それに伴って行う「色掛け」についてお話します。

黄変したシミですが、根本的な要因は多々あります。
・湿気による水シミ
・食べ汚し
・泥はね
・汗……etc.

ですが、実は汚れただけでは黄変シミにはならないのです。
黄変するメカニズムを物凄く簡単に説明すると、まず1に汚れ2に酸素です。

汚れに酸素が触れることで酸化現象が起こり、結果的にシミが変色し黄変してシミになります。
以前にも当ブログでシルクパックについて触れたことがありますが、当店のシルクパックは専用の袋の中を密閉状態にし、酸素を取り除いた状態にしてから窒素を入れます。
よって、酸化を起こす事がなく黄変が起こらないのです。

そして一度黄変してしまうと、ただ洗っただけでは黄変シミは落ちなくなり、特殊なしみ抜きが必要となります。
しみ抜き方法としては「漂白」を用います。

そして、シミが古くなれば簡単には落ちなくなり、強力な漂白作業が必要となりますが、その代償として生地の地色が抜け落ちてしまいます。
そこで行うのが色掛けです。
専門用語では「地直し」や「染色補正」と呼ばれ、抜け落ちた色を部分的に染めて補正していく特殊技術です。

「三段階のビフォアフターの写真」

 

このような工程で黄変シミのしみ抜きは行われているのです。

これは洋服にも言える事ですが、黄変シミは原因となる汚れを事前に取り除けば起こりません。
ですので、一度でも着たお召し物は保管される前に必ずお手入れしましょう。
そうすることが一番の予防につながります。

当店のしみ抜きや色掛けは、厚生労働大臣検定の「染色補正一級技能士」の資格を持った者が行っておりますので、安心してお任せください。

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